昭和41年6月
昭和41年6月20日にカロリン諸島トラック島付近の海上に発生し、23日に台風に発達した台風4号は22日頃までカロリン諸島を西進し、26日には沖大東島の南方海上で中心気圧880mbと最盛期に達した。その後、北東に進路を変え、次第に衰弱しながら28日には銚子南東海上を通り、三陸沖を経て、千島列島方面に去っていった。台風4号が太平洋海上を北上したため、日本にあった前線が刺激され、台風の雨と重なって、東北地方では27日夜半頃から雨が降り始め、典型的な雨台風となって各地で大きな被害をもたらした。総雨量は軒並み150mmを超え、特に福島県南東部では200~260mmの豪雨となった。阿武隈川山地での降雨量は140mm前後、奥羽山系では100~180mmで、岩沼地点での最高水位は6.64mに達した。
福島県内各地で河川の氾濫が相次ぎ、県下で約5,000戸が浸水、道路網もズタズタ、農作物なども大打撃を受け、被害総額は8億円以上にものぼった。
出典)「阿武隈川 洪水記録写真集」、建設省福島工事事務所(現 国土交通省福島河川国道事務所)、平成12年3月、82ページ