昭和22年9月
昭和22年9月、台風が接近する以前の5日頃から前線の影響で8日9日には所により20~40mmの雨が降っていた。
そこへ台風が接近し、東北地方全域に12日から15日まで雨が降り続き、16日には三陸東方海上へと去った。14日の夜半には、前線は関東地方の西部および北部山沿いまで押し上げられ、停滞ぎみとなったため、15日深夜にかけて大豪雨に見舞われた。15日早朝、福島では1時間26~27mmの雨が降り、日雨量は140~150mmにまで達した。11日から15日までの総雨量は奥羽山脈沿いが300~400mm、福島県南西部でも200mm以上を記録した。
この台風9号(kathleen)は、明治43年8月の2つの台風および昭和13年6月の台風に次ぐ豪雨を記録し、田畑の冠水は2,000町歩にもおよんだ。特に甚大な被害を被ったのは会津地方および県南地方で、郡山では堤防の決壊が117ヵ所を数え、阿武隈川の支川荒川では河川欠壊10ヵ所、氾濫63町歩、浸水2戸と記録され、県全体での被害総額は2億円を超えた。
出典)「阿武隈川 洪水記録写真集」、建設省福島工事事務所(現 国土交通省福島河川国道事務所)、平成12年3月、60ページ