平成11年6月

梅雨前線の北上に伴い、平成11年6月29日夜から降り始めた雨により、阿武隈川の水位は翌30日朝から急激に上昇しはじめた。阿久津では、30日の午前中に指定水位4.0mを突破、午後には警戒水位5.5mをもオーバーし、夕方にはピークに達し、6.01mを記録した。そのほか須賀川、本宮、二本松の各観測所でも警戒水位を超えた。この洪水により、郡山市内の沿川においては、内水による浸水被害が発生した。

□愛宕川救急排水ポンプの効果

郡山市久保田地区の「釜沼樋管」に流れる愛宕川は、昭和57年、61年、平成3年、10年と内水による浸水被害に見舞われてきた。そのため、平成9年度から救急内水対策事業として1台あたり1㎥/毎秒の排水能力を持つ排水ポンプ場の整備に着手、平成11年までに4台の排水ポンプが配備された。今回の6月30日の洪水時には、洪水初期から排水作業を開始、4台合計で約20万㎥(小学校のプール約444杯分)を排水、家屋の浸水被害を大幅に軽減するなど大きな効果を発揮した。また、「阿武隈川平成の大改修」で各地に配備された排水ポンプ車も出動。「昭和町樋管」(須賀川市)、「水穴樋管」(郡山市)、「舘下樋管」(郡山市)の計3地区で稼動し、浸水被害の軽減に貢献した。

出典)「阿武隈川 洪水記録写真集」、建設省福島工事事務所(現 国土交通省福島河川国道事務所)、平成12年3月、180-181ページ

TOPページ