平成10年8月末
平成10年8月末、東北地方に停滞していた前線と台風4号の影響により26日から9月1日にかけて阿武隈川上流の福島県南部を中心に記録的な豪雨となった。
福島県内の雨量は、阿武隈川上・中流域にある真船、須賀川、二本松、福島の各雨量測候所で既往最大日降水量を更新。また、各水位観測所では軒並み警戒水位を突破、須賀川水位観測所では計画高水位7.915mを超える8.17mを、二本松水位観測所では過去最高水位に並ぶ11.31mを記録した。また、断続的な集中豪雨だったため水位の高い状態が6日間も続いた。
豪雨による被害は中通り全域に広がり、阿武隈川の氾濫により19の市町村約1万1,300世帯に避難勧告が出されるという深刻な事態となった。道路も寸断され、JR在来線が各地でストップするなどライフラインの混乱が続いた。さらに、土砂崩れや浸水・冠水、交通網の寸断など直接的な被害に加え、物流の混乱による物価高騰、交通渋滞、観光客の激減など二次的損害も膨大なものとなった。
出典)「阿武隈川 洪水記録写真集」、建設省福島工事事務所(現 国土交通省福島河川国道事務所)、平成12年3月、154ページ