平成元年8月
平成元年7月31日、南鳥島の南に発生した台風13号は、ゆっくりと北西に進路をとり、超大型で強い台風となって6日午後3時、銚子市付近に上陸した。その後、白河市付近、会津若松市付近、米沢市付近を通過して日本海に抜けた。
福島県を縦断するカタチとなった台風13号は、各地に記録的大雨を降らせ、5日0時から7日8時までの総雨量は吾妻山系及び阿武隈山地では200mm~400㎜に達し、阿武隈川の各地点の水位は6日午後1時頃から上昇をはじめ、7日午前2時頃には各地点とも最高水位を記録した。このため、阿武隈川支川荒川では4ヵ所で洗堀による堤防の欠壊などの被害が発生した。
この台風13号による被害は、全半壊、床上浸水などの住宅被害4,174戸をはじめ、田畑への冠水、土砂崩れや落石による道路の損壊、橋梁の流失、鉄道網の寸断などが各地で続出。人的被害は、死者、行方不明、負傷者が合わせて30人にも達し、被害総額が300億円を超えるほどの大惨事となった。
出典)「阿武隈川 洪水記録写真集」、建設省福島工事事務所(現 国土交通省福島河川国道事務所)、平成12年3月、134ページ