平成14年7月
台風6号の北上により、暖かく湿った空気が東北南部に停滞していた梅雨前線に入り込み、前線活動が活発化したため、台風がまだ日本の南海上にあった時点から雨足が強まった。
福島県内は、7月10日未明から降り出した雨が午後には強くなり、中通りと浜通りに大雨・洪水警報を発表した。夕方にはやや雨足が強まり会津にも大雨・洪水警報を発表した。
台風が接近した11日未明には更に激しい雨となったが、台風が宮城県沖に遠ざかった11日朝のうちには雨は弱まった。この大雨により福島県内の各地で、低地の浸水、道路の冠水、河川の増水、交通の不通などが発生した。
今回の大雨は、梅雨前線が停滞していたため、南東風の吹き付けの強い阿武隈高地や奥羽山系や会津南部の南東斜面だけではなく、県内全域で雨量が多くなった。中通りや浜通り、会津の一部では200ミリを超える大雨となった。
▼「阿武隈川平成の大改修」の洪水被害軽減効果
この台風6号洪水は、平成10年8月洪水と概ね同規模の洪水であったが、平成の大改修の整備により平成10年8月洪水による被害と比較して、浸水面積で887ha(48%)、浸水戸数で710戸(37%)の大幅な減少が見られた。また、浸水要因別に見ても、外水氾濫による浸水面積62%、浸水戸数41%、内水氾濫による浸水面積21%、浸水戸数34%の減少が見られた。
※平成の大改修について、詳しくはこちらをごらんください。
⇒ http://www.thr.mlit.go.jp/fukushima/heisei/index.htm
出典)「台風6号による阿武隈川上流出水状況(第3報/終報)」、国土交通省東北地方整備局福島河川国道事務所