昭和57年9月

昭和57年9月6日、グアム島の南西海上に発生した台風18号は、12日の18時頃静岡県御前崎付近に上陸。毎時40kmに加速しながら関東、東北地方を縦断し、翌13日には津軽海峡に抜けて温帯低気圧に変わった。
台風接近前の12日14時頃から強まり始めた雨は、17時頃から21時頃にかけてがもっとも強く、20時には二本松市で1時間56mmにもおよぶ豪雨となった。12日0時から13日9時までの福島県内各地の雨量は、会津地方や浜通り北部で200mmを越えたほか、その他の地域でも100~150mmの大雨となった。阿武隈川ではこの大雨により各所で警戒水位を突破する大洪水となった。
台風接近以前から秋雨前線による長雨が続き、そこに拍車をかけるように襲いかかってきた台風18号。福島県内では堤防5ヵ所が決壊、河川の氾濫による家屋の浸水や耕地への冠水、土砂崩れなどの大きな災害が発生した。一般被害額に公共土木施設なども含めた被害総額は約129億4,700万円におよんだ。

昭和57年9月

出典)「阿武隈川 洪水記録写真集」、建設省福島工事事務所(現 国土交通省福島河川国道事務所)、平成12年3月、110ページ

TOPページ